若い頃は、毎日どこか刺激を求めていた。

新しいこと。

変化。

人との出会い。

何か特別な出来事。

そういうものがないと、

どこか「物足りなさ」を感じていた気がする。

でも、年齢を重ねると、

少しずつ見えてくるものがある。

人生って、毎日まったく違うようでいて、

実は似たようなことの繰り返しでもある。

朝が来て、仕事をして、

ご飯を食べて、季節が巡り、

また次の日が来る。

若い頃は、その繰り返しを

「単調」と感じていた。

けれど今は、

それを「落ち着き」だと感じる。

もちろん、毎日同じではない。

小さな変化も、感情の揺れもある。

でも、人生全体を少し俯瞰して見たとき、

「ああ、日々ってこんな感じなんやな」

と、どこか静かに受け止められるようになってくる。

それは、諦めではなく、

人生が少しずつ板についてきた感覚に近い。

無理に刺激を追いかけなくてもいい。

無理に何者かになろうとしなくてもいい。

穏やかに流れる日々の中で、

今日も平和やな。

コーヒーがうまいな。

家族が元気やな。

そんな小さなことを、

ちゃんと味わえるようになってくる。

若い頃には見えていなかった豊かさは、

案外、こういうところにあるのかもしれない。