これまでの中で、私は「無意識に言葉を使うとき」と、「意識して言葉を選ぶとき」の両方を経験してきました。
以前は、自分の発した言葉がどのように伝わるのかを深く考えず、そのとき思ったことをそのまま言葉にしていました。
それはそれで自然なことなのですが、あとになって、自分の気持ちがうまく伝わらなかったり、少し損をしているように感じる場面もありました。
一方で、相手にどう伝わるかを意識しながら、言葉を選び、整えて伝えるようになってから、同じ気持ちでも受け取られ方が大きく変わることに気づきました。
同じ「気持ち」から出ている言葉でも、その表現には違いがあります。
ひとつは、表面的に浮かんだ気持ちをそのまま言葉にすること。
もうひとつは、その気持ちの奥にある理由や動機まで含めて言葉にすることです。
たとえば、誰かに「ご飯どう?」と声をかけられたとき。
無意識に答えると、「今はいらない」とだけ返してしまうかもしれません。
けれど、少しだけ言葉を整えると、
「ちょうど一時間前に食べたところだから、今は大丈夫かな」
というふうに、その背景も一緒に伝えることができます。
どちらも同じ「いらない」という意思ですが、受け取る印象は大きく変わります。
前者は、どこかきっぱりとした否定に聞こえるかもしれません。
後者は、その理由が伝わることで、やわらかく、安心して受け取ることができます。
これは、自分の気持ちの奥にある動機を言葉にするかどうか、その違いだけです。
言葉は無意識に使うこともできますし、意識して整えることもできます。
そして、そのどちらを選ぶかで、相手に伝わる印象は大きく変わっていきます。
自分の気持ちをそのまま伝えることも大切ですが、相手に届く形に整えることもまた、大切なことなのだと感じています。