今日もランチの後、いつものように自宅で焙煎したエチオピアを飲んでいました。

昨日の夜、寝る前にコマンダンテで豆を挽き、瓶に入れておいたものです。時間にすると、およそ14時間ほど経っています。

飲んでみると、確かにエチオピアらしい味は残っています。

イルガチェフェ特有のフローラルな印象や、ベリーを思わせる風味も感じられます。

十分に美味しいコーヒーです。

しかし、その日の朝に飲んだ同じ豆の印象とは、どこか違っていました。

朝は挽きたての豆をその場でドリップして飲みました。

その時に感じたのは、香りの豊かさです。

ただ単にカップから立ち上る香りではありません。

コーヒーを口に含んだ瞬間、口の中いっぱいに広がる香りの豊かさです。

フローラルな香りや果実を思わせる風味が、口の中から鼻へ抜けるように広がり、コーヒー全体がとても華やかに感じられました。

一方で、14時間前に挽いたコーヒーは、味としてのエチオピアらしさは残っているものの、その香りの広がりが控えめになっていました。

味はある。

風味もある。

しかし、その風味が口の中で立体的に広がる感覚が弱くなっていたのです。

私はここに、挽きたての価値があるのだと思いました。

コーヒーには苦味や酸味、甘味、コク、ボディといった土台があります。

もちろん、それらも大切です。

しかし、スペシャルティコーヒーの醍醐味はそこだけではありません。

その土台の上にある香りの世界こそが、最大の魅力ではないでしょうか。

花を思わせる香り。

果実を思わせる香り。

紅茶のような印象。

それらが口の中でふわりと広がり、鼻へ抜けていく。

その体験こそが、スペシャルティコーヒーの面白さだと私は思っています。

だからこそ、挽きたてのコーヒーには価値があります。

味だけでなく、その香りの広がりまで含めて楽しむためです。

コーヒーは苦味を楽しむ飲み物ではありません。

酸味を楽しむ飲み物でもありません。

もちろん、それらも大切な要素です。

しかし私にとってコーヒーとは、香りを楽しむ飲み物です。

そしてスペシャルティコーヒーとは、その香りの豊かさを楽しむ文化なのだと思っています。

だから今日もまた、できることなら飲む直前に豆を挽きたい。

その一杯が持つ本来の華やかさを、余すことなく味わうために。