私は中学生の頃、「酸化」という言葉がよく理解できませんでした。

なぜなら、「酸化」という言葉から真っ先に思い浮かぶのは「酸素」だったからです。

そのため私は、

「酸化とは酸素と結びつくこと」

だと思っていました。

ところが、化学の教科書にはこう書かれています。

「酸化とは電子を失うことである」

当時の私は、

「酸化と酸素は関係ないのか?」

と混乱していました。

しかし、大人になって改めて化学を学び直してみると、その意味がようやく理解できました。

昔の化学では、酸化は「酸素と結びつくこと」と定義されていました。

しかし、その後の研究によって、酸素が存在しなくても同じような現象が起こることが分かってきました。

例えば、カルシウムとフッ素が反応してフッ化カルシウムになる反応です。

この反応には酸素は登場しません。

しかし、フッ素は非常に電気陰性度が高いため、カルシウムから電子を引き寄せます。

するとカルシウムは電子を失います。

つまり、カルシウムは酸化されるのです。

ここで私はようやく理解できました。

酸化の本質は「酸素と結びつくこと」ではなく、「電子を失うこと」だったのです。

酸素と結びつく反応が酸化と呼ばれていたのは、酸素が電気陰性度の高い元素であり、相手から電子を奪いやすい性質を持っているからです。

つまり、酸素と結びつく反応の裏側では、実際には電子の移動が起こっています。

そして、その電子を失った側が酸化されているのです。

私が中学生の頃に感じていた違和感は、

「酸化は酸素と関係するのに、なぜ教科書には電子を失うことと書いてあるのだろう」

というものでした。

しかし今なら分かります。

酸素と結びつくことは、酸化の一例に過ぎません。

本質は電子を失うことです。

そして、その考え方なら酸素が存在しない反応も説明できます。

化学を学んでいると、ただ覚えるだけでは理解できないことがあります。

しかし、仕組みや理由まで掘り下げていくと、バラバラだった知識が一本の線で繋がる瞬間があります。

今回の「酸化」も、私にとってはそんな理解の一つでした。